このブログ、このシリーズについて
このブログは、私自身が実際に経験した出来事を振り返る回想録です。物語は、約50年前、16歳だった私がアメリカへ留学した日から始まります。一部は当時の記憶をもとに記載していますが、できる限り事実に基づいて綴っています。この留学をはじめとする数々の経験は、その後の私の人生を大きく変えました。
なぜエヌ・エイ・アイ株式会社を創業したのか。なぜ論文サポート、多言語翻訳、動画でOJT介護といった事業へ取り組むようになったのか。そして、なぜ社是を「とことんキッチリおつきあい」と定めたのか。このシリーズでは、一人の創業経営者として、その原点や想いを、できるだけありのままにお伝えしたいと思っています。また、このシリーズにはもう一つ目的があります。生成AIの急速な進化によって、大きな転換期を迎えている2026年という時代に、私たちはこれからお客様へどのような価値を提供していくべきなのか。自分自身の歩みを振り返りながら、その答えを探し、次の世代へ経験をつないでいきたい。そんな思いで、このブログを書き始めました。(エヌ・エイ・アイ株式会社 代表取締役 伊藤秀司)
第2話 13人兄弟のホストファミリーとの出会い
13人兄弟の家へ
私がアメリカで1年間お世話になったホストファミリーは、13人兄弟姉妹のいる大家族でした。
もちろん、決して裕福な家庭ではありません。
しかし、この家族との出会いが、その後の私の人生に大きな影響を与えることになります。
実は、このBirr家とのご縁は、兄から始まりました。
5年前、兄も私と同じようにアメリカへ1年間留学していました。
当時、兄は私と同じRoncalli High Schoolへ通っていましたが、最初にホームステイした家庭には同年代の子どもが一人しかおらず、生活になかなか馴染めなかったそうです。
そんな兄に声をかけてくれたのが、兄と同学年だったチャーリーでした。
「うちに来ないか。」
こうして兄は最後の4か月間をBirr家で過ごすことになり、そのご縁が5年後の私へと受け継がれたのです。
初めて食べた本場のハンバーガー
シカゴ・オヘア空港からTwo Riversまでは車で4時間以上。
途中、高速道路沿いのハンバーガーショップへ立ち寄りました。
確か、バーガーキングだったと思います。
そこで出てきたハンバーガーを見て、私は驚きました。
「でかい……。」
日本では見たこともない大きさです。
16歳だった私は、
「これがアメリカなんだ。」
と、それだけで感動していました。
今思えば、そんなことに感動していた自分が少し可笑しくもあります。
夜のTwo Riversへ
旅の疲れもあり、途中で私は1〜2時間ほど眠ってしまいました。
「秀司、着いたぞ。」
チャーリーに起こされた時には、もう夜9時頃だったと思います。
車はTwo Riversの町へ入っていました。
「町」といっても、本当に小さな町です。
商店街には20軒ほどのお店が並び、その先には静かな住宅街が広がっています。
横浜とはまったく違う景色でした。
やがて車は一軒の家の前で止まりました。
ここが、私がこれから1年間生活するBirr家です。
13人兄弟との初対面
玄関を開けると、大勢の家族が待っていました。
初めて見たアメリカの家の中、まず驚いたのは、当然靴を履いたまま入るのかと思ったら、意外や意外、みんな玄関で靴を脱いでいる。
部屋は、蛍光灯がないので、意外と暗い。
それから、風呂場とトイレが一緒だ。
地下室があって、ビリヤード台(彼らはPoolと呼んでいたけど)がある。
外を見ると、庭が無茶苦茶広い。
なにもかもが目新しい環境です。
さて、一人ずつ自己紹介が始まります。
「僕はNick。もう家は出ているけれど、今日は君に会うために来たんだ。」
「私は妻の○○よ。」
「僕は大学に通っているFrank。」
「私はMary。」
「私はJane。」
「私はKarol。」
「僕はJoe。君と同じ部屋で暮らすよ。」
「私はHelen。」
次々に名前を紹介されるのですが、とても覚えきれません。
頭の中は完全にパニックでした。
13人兄弟と聞いていたので、家の中は子どもだらけだと思っていました。しかし実際には、7人はすでに独立していて、一緒に暮らしたのは6人でした。それでも、私にとっては十分すぎる大家族でした。
私の英語は通じただろうか
続いて、お父さん、お母さんを紹介されました。
いよいよ私の番です。
日本で何度も練習してきた、たどたどしい英語で自己紹介をしました。
そして、日本から持ってきたお土産を一人ひとりに手渡しました。
正直、その時何を話したのか、もうあまり覚えていません。
長い旅の疲れもあり、その夜はそのままベッドへ倒れ込むように眠ってしまいました。
弟・Joeとの共同生活が始まる
翌日からは、2学年下のJoeと同じ部屋で生活する毎日が始まります。
このJoeとは、笑いあり、けんかあり、いたずらあり。
1年間、本当の兄弟のように過ごすことになるのですが、その話はまた次回お話ししたいと思います。
(第3話へ続く)
執筆者
伊藤秀司 エヌ・エイ・アイ株式会社(事業内容:①科学論文サポートサービス ②NAIway翻訳サービス ③品質QAS動画まるごとローカライズ ④動画でOJT介護) 代表取締役
1995年創業。30年以上にわたり翻訳・英文校閲・論文投稿支援・グローバルコンテンツローカライズ事業に携わる。
1975年から約1年間、アメリカ・ウィスコンシン州Two Riversへ留学。本シリーズでは、その経験と、その後の人生について綴っています。

