【名前】孔子の名前からわかる、意外な中国文化

― 名前に隠された家族の歴史と言葉の面白さ

な まえ【名前】

1.(ア)人の氏名。姓名。(イ)姓に対しての、名。
2.事物の名称。(ア)一般の名称 (イ)固有の名称)
英語name / 中国語名字 / 韓国語이름 / ベトナム語Tên / デンマーク語navn

成語参照元:weblio国語辞典、goo国語辞書、Glosbe

先日、中国語を勉強している友人から、こんな質問を受けました。

「孔子の字(あざな)は『仲尼(ちゅうじ)』だけど、どうして次男だとわかるの?」

実は、この「仲」という漢字に秘密があります。

「伯仲叔季」は兄弟の順番?

古代中国では、兄弟姉妹の順番を「伯仲叔季(はくちゅうしゅくき)」という言葉で表す習慣がありました。

「伯」は長男、「仲」は次男、「叔」は三男以降、「季」は末っ子を表します。

つまり、孔子の字「仲尼」に含まれる「仲」から、兄弟の中で二番目にあたることが読み取れるのです。

ちなみに「字」とは、古代中国で成人後に用いられた、本名とは別の呼び名のことです。

四字熟語にも残っている「伯仲」

中国語には「不分伯仲(bù fēn bó zhòng)」という表現があります。意味は「優劣がつけられない」「実力が互角である」ということ。

日本語でも「実力が伯仲する」「伯仲の間」という言い方がありますね。

もともと兄弟の順番を表していた言葉が、現在では実力の近さを表す言葉として使われているのです。

名前から父親がわかる文化も

もう一つ、興味深い例があります。

中国の新疆ウイグル自治区などに暮らすウイグル族には、自分の名前の後ろに父親の名前を付ける習慣があります。

例えば、父親が「アブドゥラ」、息子が「アリ」なら、「アリ・アブドゥラ」という形です。

日本人には後ろの部分が名字のように見えますが、実際には父親の名前である場合があります。

もちろん、すべてのウイグル族がこの形式を使うわけではありません。

名前を知ることは、文化を知ること

日本にも「太郎」「次郎」「三郎」のように、生まれた順番を連想させる名前があります。名前は単なる個人の呼び名ではなく、家族関係や歴史、文化を映し出すものでもあるのです。

翻訳の仕事でも、人名をただ文字として置き換えるだけでは、その背景にある意味を見落としてしまうことがあります。

言葉を正しく理解するには、その国の文化を知ることも大切です。

何気ない名前の中にも、思いがけない発見が隠されているのではないでしょうか。

2026.10


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