【アーティスト】コーディネーターは、あなたの原稿のメイクアップアーティスト!
成語参照元:weblio国語辞典、goo国語辞書、Glosbe
私たちコーディネーターは、お客様からのご依頼に際し、大切な原稿をお預かりします。翻訳作業では、原稿内の文字列に他言語を上書きすることで、翻訳原稿が完成していきますが、その過程において、私たちは常に「原稿のオリジナルレイアウトが維持されているか」を意識しています。
翻訳によって原稿の見た目や体裁が崩れ、読みづらくなることは避けなければなりません。お客様に翻訳済みの原稿をお戻しする際には、そうした不具合がないかを入念に確認します。万が一、レイアウトの乱れが生じていた場合には、限られた時間の中であらゆる手段を講じ、原稿の体裁を元に戻す、あるいは元よりも美しく整える作業を行います。
この作業は、主にWord、Excel、PowerPointなどの編集機能を駆使して行いますが、まるでメイクアップアーティストのような仕事だと、日々感じています。以下に、具体的な作業例をご紹介します。
1. 記載位置の調整(レイアウト調整)
翻訳後の記載内容が、元原稿と同じ位置に配置されているか、正しく改行されているかなどを確認し、必要に応じてレイアウトを調整します。
また、説明用の写真などが貼付されている場合には、添付位置やサイズに差異がないかを確認し、必要に応じて修正します。
特にPDFをWordに変換し、そのWordに訳文を上書きする場合は、レイアウトに大きな(時には破壊的な)崩れが生じることがあります。その際、コーディネーターは“メイクアップ”を超えて“美容整形”レベルの修正を加え、原稿の見映えを整えます。
こうした困難な状況こそ、私たちの腕の見せどころ。テキストボックスに正しい訳文を入力し、正しい位置に貼り付ける作業は、まるでお化粧の上塗りのよう。根気と集中力が求められる仕事です。
2. 文字の調整(レイアウト調整)
翻訳前後の原稿を比較し、体裁に差異がある場合には、文字サイズやフォントを調整して、両原稿の見た目を近づけます。 翻訳によって文字数が増減するため、訳文が図表などに収まりきらないことがあります。その際には、テキストボックスのサイズを変更したり、文字サイズを調整したりして、体裁を整えます。

原稿によってはテキストボックスのサイズ変更ができない場合もあります。その場合は、フォントや文字サイズを変更し、二段表記にするなどの工夫で、元の体裁に近づけます。

3. ページ調整(目次)
原稿の冒頭に目次がある場合、翻訳によって1ページあたりの文字量が変わるため、ページ番号がずれてしまうことがあります。
その際には、目次のページ番号を新しい番号に置き換えます。そうしないと、目次に記載されたページに異なる内容が表示されてしまう可能性があるからです。
こうして、目次と実際のページ数のズレを調整します。
これらの作業は、翻訳工程に加えて、翻訳原稿がそのまま対外的な書面として使用されることを想定し、最終仕上げとして細心の注意を払って行っています。
翻訳コーディネーターって、実はこんなにいろんなことをしているんです!
2025.11







