翻訳会社の雑学辞書トピック【地図】

ナイウェイ翻訳サービスのスタッフによる翻訳に関する雑学辞書トピック

日本の地名を英語表記すると…

ち ず【地図】
地球表面の一部または全部を一定の割合で縮小し、記号・文字などを用いて平面上に表した図。

英語map / 中国語地图(簡体字); 地圖(繁体字) / 韓国語지도 / ベトナム語bản đồ / フランス語plan

参照元:weblio国語辞典goo国語辞書Glosbe

現在、オリンピック・パラリンピック東京2020大会に向けて、様々な準備が急ピッチで行われています。
世界中から訪れる人々に配慮して、東京近郊や各地の競技会場周辺はもちろん、全国の観光地でも、案内板ガイドマップなどを新調していることでしょう。

国土交通省 国土地理院は、2016年に「訪日外国人旅行者の円滑な移動などの環境整備を図り、観光立国実現や2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の円滑な開催などに資するため(国土地理院HPより)」地図に記載する地名等の英語表記のルールを決定しました。これは、もちろん翻訳会社にとっては大変重要な情報です。

翻訳会社の雑学辞書トピック:地図

日本の地名を英語で表記するための適用ルールは2通り。
通常は『置換方式』で、〔固有名詞的部分をローマ字表記〕+〔英語表記による普通名詞的部分(地形・種別)〕で表現します。
例:Mt. Takao (高尾山)、Sumida River (隅田川)、Lake Biwa (琵琶湖)

しかし、そううまく規定どおりに当てはまらないのが言葉というものです。
単純に固有名詞と普通名詞に分けられない場合や、名称が広く認識されている場合などには、名称をそのままローマ字に表記して〔英語表記による地形・種別〕を追加する『追加方式』を適用します。

例としては、
・Mt. Gassan (月山)  ※ひとまとまりの名称で固有名詞と普通名詞に分けられない
・Mt. Tateyama (立山) ※Mt. Tateでは意味が通じない
・Arakawa River (荒川) ※Ara Riverでは日本人が認識しづらい
・Kiyomizu-dera Temple (清水寺) ※ 「きよみずでら」で広く認識されている
・Kanpachi-dori Ave. (環八通り) ※道路の名称は固有名詞として扱うらしい

個人的には、きっちり置換方式で表現できないほうが、日本語としての変な優越感を感じるのはなぜでしょうか。
浅草寺 (Sensoji Temple)、芦ノ湖 (Lake Ashinoko)、霞ヶ浦 (Lake Kasumigaura)、渡月橋 (Togetsu-kyo Bridge)、平安神宮 (Heian-jingu Shrine)、二条城 (Nijo-jo Castle)、どれも漢字の並びが美しいです。

ちなみに、東京都はTokyo Metropolisが正式な表記。でも、あんまり馴染みがないですね。
また、各地方においても、分かりづらい地名の翻訳表記の統一を図ろうという動きがあるようです。翻訳を行う際には気を付ける必要があります。

このようなルールが決まる以前は、様々な表現が使われていたようなので、古い案内板などの英語表記に気を付けて見てみるのも面白いかもしれません。

参考:国土交通省国土地理院「地名等の英語表記ルールの概要

2019.03.29

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