ズバリ「原文の質」
テーマ4 翻訳し易いもの・翻訳し難いもの、その差とは
翻訳しやすい・翻訳しがたいは、ズバリ「原文の質」
ズバリ「原文の(文章としての)質」です。
原文がその言語の文章として成り立っていれば、内容の難度が多少高くても翻訳者側の知識や調査力で対応のしようがあります。しかしいくら簡単な内容であっても、原文がおかしければ大変です。
例えば、工場の業務報告書など一定の組織内で流通する文書や、アンケートの自由回答文などは、必ずしも文章力に長けた人が書くとは限らないため、文法が一切通用しない“トンデモな”文章に遭遇することがしばしばあります。
また、その原文自体が別の言語の翻訳で、その元の言語の表現に引き摺られたために奇妙な文になっている場合もあります。
原文がおかしければ、そのおかしなトーンに合わせた訳文をアウトプットするのも翻訳ではありますが、実際の仕事ではそうしたリクエストは稀です。お客様はたいていそうした原文のトホホさを知りたいのではなく、内容を把握するために翻訳を依頼されるからです。
文章として成り立っていない原文を意味の通る訳文にアウトプットする作業はなかなかハードで、これを「翻訳し難いもの」と言わずして何と言おう、と思うほどです。
そういう文に遭遇したときは、翻訳者として、目の前の原文原稿から読み取れるメッセージを最大限拾い上げるべく、想像力を動員しながら、かつ原文著者の意図から逸脱もしないという制約の中で頭をフル回転させて取り組んでいます。
短い文に結構な時間を費やすことも少なくありません。
得意分野:医療関係、その他理系全般、SDS
対応言語:中国簡体字→日本語 台湾繁体字→日本語
翻訳歴:20年以上 *NAIwayに登録された年を基準に表記